映画『オフサイド・ガールズ』のPRで来日したジャファール・パナヒ監督。撮影=Julie Minami人権団体のアムネスティ・インターナショナルが、オスカー監督のマーティン・スコセッシ、そしてポール・ハギス監督。またオスカー俳優のショーン・ペン、映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインとともに、イランの映画監督ジャファール・パナヒに対する擁護を改めて表明しました。

パナヒ監督は、映画監督として表現の自由という権利を行使したことが、反体制的なプロパガンダだとみなされ、禁固6年の有罪判決がくだされています。

擁護派の中心的存在は、マーティン・スコセッシ監督と、映画『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本家で、『クラッシュ』で映画監督デビューし、オスカーを受賞したポール・ハギス監督。
ハギス監督は「もしも自分が映画製作において、当局からそのような判決を受けたら、(映画界の)仲間に声をあげてもらいたいと思った」とコメント。

今後、映画界は最も世間の注目を浴びる賞レースのシーズンとなるため、ホワイトリボン・キャンペーンを行うという。女優や俳優、監督、脚本家、プロデューサーには、公の場で白いリボンをつけるようにうながす模様。尚、同キャンペーンには、イランで2009年の2月に拘束された、日系アメリカ人とイラン系アメリカ人の家系の出身であるアメリカのジャ-ナリスト、ロクサナ・サベリも参加する。

ホワイトリボン・キャンペーンが何らかの効果をもたらすことを願ってやみません。

筆者も映画『オフサイド・ガールズ』のPRで来日した際に、単独インタビューをさせていただいたこともあり、本件を無視することはできませんでした。その際に伺った言葉を記します。

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私の映画のテーマは、「社会における規制」です。
検閲のルールを守りつつ、いかに作家性をだすか、
自分の撮りたいものを撮るか。
自分が作品に満足しているかどうか、それが重要なんです。
                          ジャファール・パナヒ監督

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ジャファール・パナヒ
Jafar Panahi
1960年、イランのミアネー生まれ。テヘランで映画製作を学び、アッバス・キアロスタミ監督作『オリーブの林をぬけて』(1994年)で助監督となる。長編監督デビュー作の『白い風船』(1995年)でカンヌ映画祭新人賞を受賞。素人を起用したドキュメンタリータッチの手法でリアルにみせるのが特徴。


――南樹里の“映画評マニエラ”はこちらから




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