(c)2011「まほろ駅前多田便利軒」製作委員会映画『風が強く吹いている』も映像化された、直木賞作家・三浦しをん。彼女の同名小説を、瑛太&松田龍平という実力派俳優の主演で映像化した。そう、映画『まほろ駅前多田便利軒』は、第135回直木賞受賞作が原作のハートフルなドラマなのだ。

主人公となるのは、30代のバツイチ男性ふたり組――多田啓介(瑛太)と行天春彦(松田龍平)。舞台は架空の街・まほろ。まほろ駅から徒歩3分(?)に位置する便利屋を舞台にした群像劇。かと思ったが、実際はふたり組の春夏秋冬―1年間―を映すものだった。

女性の前では、なかなか見せない男性の本質が!

はて、どんな内容なのか。タイトルから想像を膨らませた。というのも筆者は原作の存在を知らなかったため。(その後、原作の続編まで読了)。でも、ベストセラー作だけあり、多くの方がご存知のように、このふたり組が、なかなか女子ウケするキャラクターなのがミソ。まあ、バツイチの時点でモテキャラだと分かるものだろうが、若いうちは要領がよければモテるということもあるから、それだけでは断定がし難い。

で、そのふたりの性格が凸凹なだけに、その会話もユニークで、笑いのツボをユルく(褒め言葉)刺激する。例えば、仕事の請負宅で名作アニメ「フランダースの犬」を夢中になって見る行天。そのことで言い合いになったはずが、いつのまにやら同作の結末の解釈の相違についての話に変わっていく。また、ヤバい系から狙われた、ふたりが見舞われる災難。その際に多田が「なんじゃ、こりゃ!」と(松田優作風に)発すれば、行天が「誰? 全然似てない…」とポツリ。ま、ここは原作のエピソードをまんまということで。劇中では友人役であり、素では同氏のDNAを継ぐ人物に、あっさり否定されバツが悪くなった多田という、そのくだりも笑えた。

未成年者が“白い粉”を捌くエグい面も登場するが、彼らが目の前の問題にいかに立ち向かうか。彼らの人間性が如実に現れるため、自然に引き込まれる。なんといっても、主演の瑛太と松田龍平の魅力によるところが大きい作品だといえる。共演映画が本作で4本目(『青い春』『ナイン・ソウルズ』『アヒルと鴨のコインロッカー』)だけに、ふたりの相棒ぶりはバッチリなのだ。ぜひ、同じキャストでの続編を期待したい。

監督は異色作『ゲルマニウムの夜』、秀逸な青春映画『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の大森立嗣。ちょうど鑑賞直前に「情熱大陸」高良健吾編を見ていたので、あの現場の空気感から誕生したのだな、などと考えつつ見られるほど、ペースはゆったりしている。また、ボムボム鳴るリズムと合間って心地よくもある。

で、本作を誰に勧めるかといえば。

瑛太さん&龍平さんファンはもちろんのこと、多くの女性へ。女性の前では、なかなか見せない男性の性質がここに。


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原題=まほろ駅前多田便利軒
日本公開=2011年4月23日
配給=アスミック・エース
公式サイト=http://mahoro.asmik-ace.co.jp/
(c)2011「まほろ駅前多田便利軒」製作委員会



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