第84回アカデミー賞主演女優賞を受賞したメリル・ストリープが来日映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で、“鉄の女”マーガレット・サッチャーを演じ第84回アカデミー賞主演女優賞を受賞したメリル・ストリープとフィリダ・ロイド監督が揃って来日し、プレミア試写会舞台あいさつと記者会見に登壇した。

オスカー史上最多の17回ノミネートと、3度のオスカー像を与えられた稀代の女優。それだけで、どれだけ威厳に満ちた人物かと思われがちだが、素顔のメリルは穏やかで心の広い人という印象。劇中では、認知症となり表舞台に立つことがなくなったサッチャー女史が人生を振り返るため、約40年の歳月を演じたメリルは「40年の歳月をチームでつくった」と、団結力をアピールした。

そのメリルがサッチャー元首相の魅力を「たとえ首相になっても女らしさを失わなかった。女としての甘えを自身には許さなかったので、鉄の女と呼ばれたんでしょう」との持論を語れば、ロイド監督も「決して自分の出身(=労働者階級)を忘れなかった。位の違う人も気にしていたし、普通の人間の気持ちが分かる人」との解釈を披露。ふたりのあ・うんの呼吸も映画『マンマ・ミーア!』に次ぐ再タッグとなった作品だからと言える。

300mt2だからこそ、撮影の困難さをロイド監督が「メリルは『初日の3日間が大変だった』と言うんじゃないかしら。サッチャーが党内で信頼を失っていくという一番難しいシーンを撮ったんです。メリルは素晴らしい想像力でさじ加減を分かっていたからこそできたと思うのですが」と述べた時も隣で微笑むメリル。そしてこうつなぐ。「記憶や物事が交互に入り組む構成で、まだ撮影が始まって理解し切れてなかったのよ。共演する俳優さんたちとも初めてという状況で、想像しながらだったので、本当にさじ加減が難しかった」と明かした。

本作の大ヒットを祈願して、ふたりは鏡びらきを実施。メリルが樽に指を入れてお酒の味見をするとロイド監督も味見。そのキュートな仕草に集った報道陣が沸いた。

伝記映画といえば、大概が偉人伝になるものだ。ところが“鉄の女”を描いた『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』は、英国政界の頂点を極めた女性の心象として描かれる。映画『マンマ・ミーア!』の女流監督フィリダ・ロイドと映画『SHAME-シェイム-』の女流脚本家アビ・モーガン、そして主演にメリル・ストリープという三大女傑が結集した作品だけに、女性目線が生かされている本作。メリルが「観た人が、彼女の人生に自分を重ね合わせられるように演じたかった」という言葉に集約されるとおり、偉人と自身を重ね合わせて見られる物語ゆえに、心を鷲掴みにされること必至だ。

というわけで、英語インタビューに挑戦してきました!

メリル・ストリープ単独インタビュー『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(シネマトゥデイ)


原題=THE IRON LADY
日本公開=2012年3月16日
配給=ギャガ
公式サイト=http://ironlady.gaga.ne.jp/
c2011 Pathe Productions Limited. Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.


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◆このふたりの前作はこちら

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出演:メリル・ストリープ
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