主演の菅田将暉(左)と、原作者の田中慎弥(撮影・中野義樹)映画『東京公園』では第64回ロカルノ国際映画祭・金豹賞(グランプリ)と審査員特別賞を受賞するなど国内外で圧倒的な評価を得る青山真治監督が、田中慎弥の芥川賞受賞作品「共喰い」を映画化することが決定した。

芥川賞受賞会見も話題となった、文壇に衝撃を与えた「共喰い」の作者・田中慎弥は、今もなお故郷・山口県下関にこだわり創作を続けてるという。映画化決定にあたり「自分の作品が映画化されるのは初めてです。決して万人受けするストーリーではないと思いますが、そのように限定された世界が映画によってどのように広がってゆくのか、原作者として、読者として、観客として、楽しみにしています。小説の「共喰い」こそが一番だと私は思っています。映画に携わる人たちは、「共喰い」は映画のための物語じゃないか、と考えていることでしょう。勝負です」とコメントを寄せた。

また下関と関門海峡を挟んで対岸に位置する福岡県北九州市門司出身の監督・青山真治も北九州を舞台にした『Helpless』、『EUREKAユリイカ』、『サッドヴァケイション』の“北九州サーガ3部作”を完成させ、本作も北九州での撮影を敢行。青山監督も「脚本家の荒井(晴彦)さんにどうだろう、とメールを戴き、一読の感想はズバリ、これを他人に撮られたくない、でした。文章から立ち上る土地の匂い、人間関係、何もかも勝手知ったる世界のような。原作が田中氏にしか書けない小説だったように、本作も自分にしか作れない映画になってほしい。こんなことを願うのは久しぶりです」と興奮を隠さない。リアルな姿を浮き彫りにするという作家的特性が見事に合致し、日本映画界に新たなる痕跡を残す傑作になることを予感させる。

主演の遠馬役に、史上最年少の「仮面ライダー」としてデビューし、現在テレビドラマ「サマーレスキュー~天空の診療所 」に出演するなど、いま最も注目を集める若手俳優・菅田将暉。ヒロイン千種役には新鋭・木下美咲が大抜擢された。父親の愛人役に、山下敦弘監督の映画やポツドールの舞台などで幅広く活躍する篠原友希子。乱暴な父親役に、日本映画界に欠かすことのできない名バイプレーヤーの光石研、実母役に圧倒的な存在感を持つ実力派女優・田中裕子を迎えて、2012年9月クランクイン。2013年夏ロードショー予定だ。


「共喰い」ストーリー
昭和63年。高校2年生の遠馬は、父とその愛人・琴子と川辺の町に暮らしている。川を隔てて、魚屋を営む産みの母親・仁子の元に時々でかけては、川で釣った魚をさばいてもらっていた。遠馬は日常的に父の乱暴な性交場面を目の当たりにして、嫌悪感を募らせながらも、自分にも父の血が流れていることに恐れを感じていた。


日本公開=2013年
配給=ビターズ・エンド
公式サイト=
原作者の田中慎弥(撮影・中野義樹)


◆原作はこちら

共喰い共喰い
著者:田中 慎弥
販売元:集英社
(2012-01-27)
販売元:Amazon.co.jp




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