北野武監督&加瀬亮『アウトレイジ ビヨンド』直撃インタビュー後編こちらのインタビューは、北野武監督&加瀬亮『アウトレイジ ビヨンド』直撃インタビュー前編からの続きです。ぜひ前後編を合わせてお読みください。


“北野監督のイメージ”が理解できるのは現場!

「監督と今こうして一緒に取材を受けて、初めて監督の思いを聞いて、分かったことが多いです」と、加瀬がはにかみ笑い。「現場では、このシーンで何を伝えようとしているのか、いつもさぐっている感じでした。北野監督のイメージは、台本だけでは掴みきれなくて、現場で理解できることが多いんです。テンポや間もそうですし驚かされることが多いです」と、感慨深い様子。

そんな加瀬だが、「撮影で印象に残ったのは、幹部会のシーン。これまで大勢の大人の前でしゃべる機会がなくて(笑)」と述べ、「本編を鑑賞して印象に残ったのは、大友(ビートたけし)が花菱会とやり合うところが面白かったです」と、怒号が飛び交うシーンをあげた。

300outrageb012topこれも北野監督の狙いどおりといえるだろう。監督は「言葉の暴力は、いつか映画に取り入れたかった。(本作での)関西弁と関東弁の罵り合いは、ひとつの暴力描写だと思っている。役者さんたちはみんな気合いを入れて怒鳴っているから気分はいいと思うな(笑)」と、ユーモアを交えて答える。そして一転、真顔になり、「この映画で描かれている権力闘争の構図は、国や会社などに置き換えられることだし。もしも、この登場人物が動物だったらば、デイビッド・アッテンボローのドキュメンタリーみたいに、弱肉強食の自然描写だと受け止めるでしょ?」との持論を語る。本作を観れば、手段の差こそあれども監督の言葉通りと思うことだろう。

本作で組織のナンバー2となった石原役を演じた加瀬は、「今回は石原の5年間の変化を考えて演じました。彼は三浦(友和)さん演じる加藤会長に忠誠を誓ったと思うんです。必至に役割を果たそうとしているけれど、やっぱり若頭の器じゃないのか、そこまで力がなかったのか、思うようにいかず。その苛立ちと、大友の出所で不安がつのり自己崩壊していく」のだと自身の役柄を冷静に分析。北野監督も「石原は虚勢を張って上り詰めたことを自覚しているから自分のバックボーンが不安の材料になっている。彼は自分の実力を分かっているんだよ」と付け加えた。

「本作で石原はヒドい目に遭います。それは前作ラストのプールサイドのシーンを撮った時から既にイヤな予感がありました(苦笑)。本作の石原のラストシーンの撮影は忘れられませんね」と、撮影を振り返った加瀬。すると「どういうイジメかたをするかはセンスの問題」だとニヤリとする北野監督。そのやりとりからは、劇中の大友と石原の関係性が垣間見えたが、きっとこれもエンタメ心を大事にするサービス精神のひとつに違いない。


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映画『アウトレイジ ビヨンド』
日本公開=2012年10月6日
公式サイト=http://www.outrage-movie.jp/ 
配給=ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野
(C)2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会


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