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第67回ヴェネチア映画祭にて最高賞の金獅子賞に輝いた映画『サムウェア/Somewhere』について、ソフィア・コッポラ監督に話を聞いた。

『マリー・アントワネット』から4年、ソフィア・コッポラ監督待望の最新作は、ハリウッド伝説のシャトー・マーモントというホテルを舞台に、ハリウッド俳優ジョニー・マルコと娘クレオの交流を描くもの。


まずは、映画『サムウェア/Somewhere』の着想について。「自分が幼いときのロサンゼルスの思い出を今の時代で再現してみたかったの。子供の頃、父親のロケ先に同行してよくホテル暮らしをしていたのよ。まさにそこでは興味深い人たちがホテルで暮らしているってことを発見したわ。そこには共同で使える場所もあってコミュニティーができあがっていたの。でもそれを女性ではなく男性の目から通してみてみたかったの」というだけあり、監督の幼少体験から生まれた物語だった。

主演にスティーヴン・ドーフとエル・ファニングを起用したことについて。
「脚本を最初に草稿したときに、スティーブンのことが頭に浮かんだの。彼はすごく才能ある俳優であると同時に、暖かいハートの持ち主なのよ。その部分がこの役を演じてもらう上でとても重要な要素だった。だから彼とエルが演じているシーンにほのかな暖かさが生まれてきたのだと思うわ。そしてエル・ファニングは実際に会ってみて、すごくいきいきとした女の子で、年齢的にもこの役にパーフェクトだって思ったから」

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撮影中に妊娠していて、ポストプロダクションの頃に出産した自身の心境も反映された。
「脚本を書いたときと、この映画を撮り終えた後では状況が違っていたの。その事実は大きなインパクトがあったし、このストーリーに大きく影響していると思うわ。私がこの映画の中で特に気に入っているシーンは、二人でプールにいるシーンなの。とても心暖まるシーンよね。でも(その意図を)深く考えてことはなかったわ。もし、何かを象徴しているだとしたら、それはピュアってことだと思う」

同作は、上映直後から本命視された作品だった。コンペ部門の審査委員長を務めたクエンティン・タランティーノは、過去にコッポラ監督と交際していたのは周知の事実。だが、審査は「全員一致」と強調した。日本での公開も既に決定しており、待ち遠しい限り。


『サムウェア(原題)』予告編



ヴェネチア映画祭、記者会見


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原題=SOMEWHERE
日本公開=2011年4月2日
配給=東北新社
c2010 - Somewhere LLC/cKazuko WAKAYAMA


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